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映画『13デイズ』 〜憎悪と無理解を超えて〜 公開:2000年(米) 監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:ケビン・コスナー/ブルース・グリーンウッド/スティーブン・カルプ 推薦者:津田 孝子 20世紀、最悪にして最大の危機と言われた「キューバ危機」。 「あの決断」に誤りがあったなら、私たちは今こうして地球上に存在していなかったかもしれません。 ■あらすじ 1962年10月16日、全世界が核戦争の危機に追いつめられた13日間が始まった。その2日前に偵察機がキューバ上空から撮影した写真に弾道ミサイルが確認され、米大統領は直ちに閣僚を招集するが、ミサイルが実戦配備される前に空爆を行うべきだと主張する人たちが出てくる。 何としても第三次世界大戦に結びつくような空爆を避けたい大統領と大統領の腹心の弟ボビー、そして大統領特別補佐官ケニー。即時侵攻か、空爆か、海上封鎖か、または外交交渉によって回避する道を探るのか・・・様々な対応策が検討されるが、ミサイルが発射されれば米ソの核戦争は避けられない・・・。 決断の時は刻々と迫ってくる。手を拱いて見ていれば、キューバに建設中のミサイル基地が完成してしまう。そうなれば、アメリカ本土が射程距離に納まってしまうのだ。3人の苦悩と緊張、そして苛立ちは、極限に達していく。 私の記憶が確かならば、この映画のエンディングロールの最初に出てくるのはU2パイロットの名前だったと思います。 彼は爆撃目標の最終確認に飛び立った偵察機U2のパイロットでした。しかし、施設の航空写真を撮って帰路につく途中、ミグ戦闘機に撃墜され、命を落としました。 軍部は即時報復を進言し、ソ連のミサイル施設爆撃の準備を整え、大統領の指令を待ちます。それでも大統領はトルコのミサイル撤去を切り札に最後の交渉に賭ける決意を変えませんでした。 そして駐米ソ連大使との交渉役に指名されたのは弟のボビー。 彼にアメリカの、いいえ、全世界の人類の「明日」が託されたのでした。 今私たちは、「冷戦」という言葉さえ死後になりつつある21世紀に生き始めています。 この平和の影に、あのU2パイロットの尊い命が犠牲になっていたということを、私はまったく知りませんでした。飛び立つ前に電話でケニーから「必ず帰ってこい!」と言われたのに・・・ 平和的なる危機回避の道を探り続けた大統領たちにとって、彼の死はいかほどの悲痛であったでしょう。 それでもなお、最後まで交渉による回避の道を諦めなかった大統領の信念。苦渋の選択を迫られながらもなお、己の信念を貫こうとする強さは、どこから来るものなのでしょう。 単に「平和を愛する心」という言葉では表現しきれない「大いなる力」のようなものを感じずにはいられませんでした。 そしてついに、晴れやかな日を迎えた三人がバルコニーで談笑する姿は、たとえようもなく素敵でした。 時の大統領J・F・ケネディは「平和」という名の愛の種を蒔き、自らはその種が育って「冷戦終了」という美しい花を咲かせる姿を見ることはできずに、その後、弾劾に倒れてこの世を去りました。 しかし、今でも彼の残したすばらしい演説は生き続けています。 「憎悪と無理解を超えて共に生き続けよう。」 |
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