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「絵手紙で綴る 介護の詩」 著者 :西川 公子(自費出版) 推薦者:宮川良平 この本は、埼玉県大宮市在住の西川さんが昨年自費出版され、今年の2月には読売新聞にも取り上げられた「壮絶に生きた夫を命懸けで支えた妻の心の葛藤二千日」という副題がついている実際の話を一冊の本にしたものです。 ■ 2人3脚2000日のドキュメント 介護日記(絵手紙)200枚以上をもとに書かれたこの本は、難病のご主人の介護に真正面から取り組まれて2000日、発病より10年という歳月が、まさに2人で一つの人生以上に生ききったという感動を抱かずにはいられません。この本の「はじめに」の中に 「ただ、決して、私の苦労を披露するつもりではなく、 日本の福祉の貧しさ、介護は女の仕事とする社会の矛盾などを綴りました。 必ず老後はやってきます。 介護のありかたは、誰もが 興味を持たなければならないテーマではないでしょうか。 困難に当たってはいろんな知恵を身につけ、 極限状態の中でどうあるべきか迷路のような中で 生き方上手の道を探りました。」 と、書かれてあります。 また、60歳という若さで他界されたご主人の残された言葉として、 「人を信じろ。信じられない人間は不幸だ」 「人間にとって一番大切なのは優しさ」 「水清ければ魚住まず、清濁合わせて飲む度量がなければ生きていけない」 「どんな仕事も、それを天職と思え」 介護というものに実際に携わった人の生の声に耳を傾けたとき、そこに、介護を仕事としてではなく、介護をしてもらう人、介護をする人の本当の気持ちが伝わってくるものです。介護の現場の生の声が、今後の福祉の発展に少しでも役に立てればと筆者の思いが、美しい絵手紙を挿し絵として綴られた、とても感動的な実話です。現在、同じ境遇の方や誰でもこれから迎えるのではと思える人に対しても、非常に参考になる本でもあり勇気づけられることでしょう。なお、西川さんは絵手紙の専門家でもあり、現在も各地で指導をされておられます。 ■ 介護保険制度のあり方 来年4月に介護保険制度が実施される予定ですが、単なる制度だけで施行することなく、このような本を参考に介護について今一歩踏み込んだ検討もしていかなくてはならないと思います。 実施予定の制度では、介護サービスが地方と都市部ではかなり異なるそうです。また、保険料についても市町村によってかなりの格差が出るとみられているようです。この格差を抑えるために国庫負担増を検討しているようです。 この介護保険制度で、サービスを受ける内容を個々に指導にあたるのが、「介護支援専門員」(ケアマネジャー)という資格を持った人があたるわけです。昨年より試験が始まった新しい資格制度であるわけですが、人材・サービス内容も国としてもまだ未成熟のものです。今後様々な検討課題が実施にともない露呈してくることでしょう。 そして、この本の中に以下のようにも書かれてあります。 「新聞などの紙上を賑わしている介護保険法には私達みんなが注目していかなければならない。一流大学出身の良家の子息が必ずしも良い政治家になるとは限らず、また実際に、彼らが弱者の立場を理解できるかも疑問である。先進国の中でも政治の場における女性の数が極めて少ない日本。もっと女性は声をあげてもいい。」 現行制度に疑問を持ちつつも、可能な限り最大限に活用してきて、そのために非常にご苦労された西川さんの言葉だからこそ説得力があります。新制度には大いに期待したいと思います。 ■ 家族に支えられて 10年間の介護を支えたもうひとりの功労者として娘さんを忘れてはならないと思います。小・中・高の青春真盛りを母親とともに介護をしてきたお嬢さんが、まっすぐに育ってこられたことも心の支えであったことでしょう。 2人3脚ではなく3人4脚のドキュメントでもあったのです。とかく愚痴を言い環境のせいにしてしまいがちです。が、自分の環境を素直に受け入れ、思いやる心が家族の中に充満している情景が浮かび、新鮮に感じられまた頼もしくもありました。 ■ 希望 人間はだれでも自分の意志に関わらず、病気になるものです。が、原因はかならずあるものです。その原因の多くはかならずと言ってよいほど自分が作り出したことではないでしょうか。もし自分の意志に関わらず介護されることになった人、介護をすることを余儀なくされた人も、共に「感謝の心」「思いやりの心」というものを忘れないでいきたいものです。介護ということを難しくしないためにも、家族で支え合う気持ちがまず一番大切なことではないでしょうか。そして次の段階として、社会制度を利用し、負担を軽減する方法があるのだと思います。この順番を間違えないことが、大切な考え方ではないでしょうか。 それから、介護支援専門員になられた方々に今後期待したいことは、その状態を簡単な事務処理だけでかたずけることなく、その家族に愛情を持って、優しく接していただきたいと思います。人の気持ちの分かる人であって欲しいと思います。 また、天国へ戻られたご主人はきっと感謝をされておられるでしょうし、家族の方をいつも見守っておられることでしょう。そして、残されたご遺族の方は、悲しみを乗り越えいつの日かまた会える日が来ることを希望として、毎日元気でお過ごしくださいますようお祈りしたいと思います。 この本は、こういった家族愛や介護制度についても考えさせられるものでした。これから、介護される方、介護をしている方、介護することが予想される方には、この本は何かを教えてくれることでしょう。 そして、何らかの希望の光を見出せることでしょう。 ※ この本を読んでみたいという方はメールにて西川さんの本希望と申し込んでください。 自費出版の書籍なので有料で取り扱わせていただきたいと考えています。 |
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