■日本の心を美しくする 今月の当会推薦書籍


「大人のための偉人伝」
 木原武一著
 新潮選書850円(税込み)
 推薦者:津田 孝子




「偉人伝」というと、小学校の夏休みの課題図書や自由研究の対象など、子供の時に読む本といったイメージが強いかもしれません。私自身も「偉人伝」の類いを読んだのは、小学生までだったような気がします。しかしそれらは確かに、心の奥に大きな感動と夢と希望を与えてくれるものでした。
そんな素晴らしい「偉人伝」を子供たちに独占させておく手はない、と、書かれたのがこの『大人のための偉人伝』

「世のため人のために尽くした偉人たちから学ぶべきは、むしろ大人のほうである。」と著者は言っています。また、「偉人伝の効用」として書かれてある一節をご紹介しましょう。


「そもそも、偉人とは何か。偉人と目されるさまざまな人間の生涯を調べてみて、偉人の第一条件として浮かびあがってっくるのは、人のために奉仕するという献身的行動である。我欲を捨て、他人のために尽くすことを無上の幸福と感ずるところに、私は、偉人の共通点を見つけたい。

ところで、このような献身的行動のもとにあるのは、各人特有の理想である。理想を持たない偉人はない。すべての偉人は理想主義者であり、同時に、実践の人である。偉人が世に知られるのは、その理想のゆえではなく、その実践的行動のゆえである。また、偉人伝に欠かせないのは、人に感動を与えるような生涯の物語であるが、波瀾万丈のみが人を感動させるわけではない。その生活と行動を通して、人びとに勇気と元気、そして希望を与えることこそ、偉人伝のもっとも大きな効能と言っていい。そして、分別のある大人なら、偉人の生涯を追体験することによって、多少なりとも敬けんな気分にならざるをえないだろう。」



本書で紹介している「偉人」は以下のとおりです。

  • シュワイツァー  〜三十歳でキャリアを大転換〜
  • ヘレン・ケラー  〜人間そのものが奇蹟〜
  • リンカーン  〜人びとの声の代弁者〜
  • ガンジー  〜一人に可能なことは万人に可能〜
  • ナイチンゲール  〜もっとも幸福な仕事とは〜
  • キュリー夫人  〜永遠の女学生〜
  • エジソン  〜九九パーセントの努力〜
  • カーネギー  〜富みを生かす方法〜
  • 野口英世  〜失踪する野心〜
  • 二宮尊徳  〜農村の再建屋〜

おそらく、知らない人は一人としていないでしょう。
しかし、その生涯についてはあまり知らなかったり、誤解をしていることもあることを、私は本書を通じて知ることができました。

大きな感動のためには、一人ひとりの自伝を読むのが最も良い方法であると思いますが、その前に手っ取り早く感動できる良策として、お薦めしたい一冊です。






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