毎日新聞に連載された記事を基に出版された本書は、「この国を静かに支えてきた理系の人々は、その貢献の割には報われてこなかったのではないか」ということを、色々な角度から明確にすることを試み、文系優位社会に一つの問題提起を試みた野心的な企画と云える。
理系の人間の素顔がかいま見られる本書を文系の人にも、理系の人にも是非読んで頂きたいと思い、紹介する次第である。
私自身は報われなかったと云われる理系の人間であるが、本書に登場するような華々しい成果を世に出すことがなかった為か、特にそのようなことを意識することなく過ごしてきた。世に貢献している理系人間が文系人間と同じように処遇されることには大いに賛同するが、但し、報われるということを金銭だけで考えることには、私自身は疑問を感じている。
価値というものを金銭でしか評価できない貧弱な社会にならないことを祈るのみである。頭の良い諸氏よ、金銭に代わる価値体系を是非考えて、提案頂きたい。
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