■日本の心を美しくする 今月の当会推薦書籍


 「社員の幸せを追求したら社長も成果主義も不要になった!」
 日下公人著
 ソニー・マガジンズ刊、2002年、1,200円+税
 推薦者:山下宏





広島に本拠を於く、メガネチェーン・株式会社21という会社を知っている人はいないでしょう。紹介者も本屋で偶然目にするまではまったく知りませんでした。

それ以上に、びっくりするのは、以下のような考え方で経営して、急成長を成し遂げてきたという事実があるということにです。
  1. いっさいの利益を社員で山分けし、顧客にも還元(利益を出さない会社)
  2. 株主は社員で、社員による共同経営(仲間主義で雇用者・被雇用者の関係が希薄な会社)
  3. 人事破壊で合理化(間接部門がなく、管理職もいない会社。社長と取締役はいるが経営のイニシャティブをとっていない)
  4. 会社の業績、財務状況、全社員の給与・賞与明細などの情報開示(透明経営の会社)(5)社員間の競争排除(ノルマ・目標を設定せず、成果・能力主義でない会社)

こんな会社が日本にあるのかとあなたは疑うでしょう。それが皆さんの常識だからです。「常識破りのこのような会社が存在し得るということ」を経営を知っている、あるいは現に経営をしている人は信じられないでしょう。

この会社は別のメガネチェーンで仕事をしていて、その会社をやむを得ずリストラされた社員が中心に会社を起業し、会社を運営している会社です。仲間主義はちょっと間違うと仲良しクラブになる危険があります。そのような何度かの危機を乗り越えて、成長を遂げてきた点が評価に値しますし、多くの人が学ぶべきことがあるのではないでしょうか。

日下さんは、「グローバルスタンダード」が勝れたものだと信じ込んで、日本に導入したことが今日の日本の低迷の根本原因だと言っています。紹介者も同感です。歴史の浅い国に学ぶよりも、長い歴史を有する日本の先人の素晴らしい智慧に謙虚に学ぶということが日本復活の鍵ではないでしょうか。

多くの方が本書を読まれ、錆びた頭に潤滑油を与えてくださることを期待しています。





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