■日本の心を美しくする 今月の当会推薦書籍


「知」のスピードが壁を破る 
平尾誠二著
PHP研究所(1999,1、400円+税)
 推薦者:山下宏




副題に「進化しつづける組織の創造」とあるように一種の組織論でもあります。
ラグビーファンなら、神戸製鋼ラグビー部の黄金時代を築いた平尾氏を知らない人はいないでしょう。

世界に通用する日本代表のラグビー部をつくろうと取り組んでいる姿を、その考え方を率直に述べている本書は、チームで戦う、サッカーや野球などにも適用できるものを含んでいると紹介者は考えています。また、組織で仕事する多くの人びとに、これからの社会ではどのような組織が妥当なのか、どのような組織にしようかと考えている人に多くの示唆を与えてくれると思います。

一言で言えば、自分で考え、判断する「最強のチーム」をつくるというのが目標である。選手は自分のチームという意識を持っており、自分自身の限界への挑戦を楽しむ姿勢が明確であり、自分が主体的に動きながら、なおかつ全体のことを考え、組織としての成果を最大にするように各人が、行動し、判断し、また行動するそのようなチームをつくろうと現在も挑戦しているのが、現在の全日本ラグビーチームと言えます。そのこれまでの取り組みについて率直な言葉で語られており読み易い本でもあります。

Jーリーグの人も、野球をやっている人も、このあくなき挑戦者魂というべきものを学んでいただきたいと願ってやみません。そうでないとサッカーも、野球も魅力のないスポーツになってしまう危険があると感じているからです。

第6章は、本書の最終章で、「スポーツが変われば、社会が変わる」というタイトルの章ですが、ここに平尾氏が言いたいことが凝縮しているように思います。一部、書籍から引用しましょう。

  • 「世界と戦うとは、世界標準の中で戦うことだ。」
  • 「自己の確立は、自分を見つめることから始まる。自分の弱さと正面から向き合い、その弱さをとことん追究していくと、そこに弱い自分を見つめているもう一人の自分が現れる。これが、新しい自己の発見だ。」
  • 「失敗しても、実際に実行してきた人、批判を浴びる立場にいる人こそ、プロだろう」
  • 「自主性や自発性は強制されて出てくるものではない。自らが「こうありたい」と思わなければ、本当の自主性は身につかない。」

多くの方々に一読をお薦めしたい書籍であります。





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