■日本の心を美しくする 今月の当会推薦映画



映画『ショコラ』  〜悪魔か天使か?〜

公開:2000年(米)
監督:ラッセ・ハルストレム
主演:ジュリエット・ビノッシュ/ジョニー・ディップ
推薦者:黒岩宏光



スエーデンのラッセ・ハルストレム監督作品の現在公開中の話題作「ショコラ」と、同監督の代表作「サイダーハウス・ルール」、「ギルバート・グレイプ」の映画評をあわせてお届けします。


■あらすじ

フランスの片田舎の小さな村に、赤い街頭を着たヴィアンヌ(ジュリエット・ビノッシュ)とアヌークの母娘がやってきます。厳格なキリスト教徒が住むこの村は、その時、断食期の最中でした。そんな中でこの親子は、チョコレートショップを開店します。

この街の堅物で厳格なる町長レノ伯爵は、このヴィアンヌを、教会のミサにも出席せず、チョコレートなる嗜好物を住民に蔓延せしめ人々を堕落させる「魔」ととらえます。しかしながら、彼女の作るチョコレートは人々の暮らしに潤いを与え、頑なな心を溶かし、村の人々のぎくしゃくした人間関係を解きほぐしていきます。村に漂流してきたジプシーの男を受け入れる彼女を見て、ますます危機感を感じる町長は、教会の若い神父と協力し、チョコレートの甘い欲望に負けぬよう村民に働きかけ、妨害活動をはじめます。

はたして、町長の言われるように、彼女と彼女の作るチョコレートは人間を堕落させるための「悪魔」の所業なのでしょうか。それとも、人々の心を解放し幸福感もたらす「天使」の行為なのでしょうか。


■心の「解放」

同監督の前作「サイダーハウス・ルール」でも、「堕胎」という問題を取り上げ、主人公の頑なな心を通して、社会環境や経験の中で成長していく姿―――「解放」をひとつのテーマとした作品でした。この作品も同じように、古き風習やしきたり、価値観や物事の捉え方、執着心や罪悪感といった範囲に及ぶ、ひとつの象徴を、カトリック教会そのものを挙げて表現し、それらに一石を投ずる内容になっています。古きものとしての象徴のひとつを、カトリック教会として表現したこと、その事の良し悪に関しては意見が分かれるかもしれません。

さて、映画ですが、この妨害活動をする町長さんの言い分も一理あります。古き慣習や村人たちの規律や風紀を重んじた生活を守ろうとします。また、ヴィアンヌも人々を堕落させるためにチョコレートを作るわけではありません。カカオの持つ神秘的&物理的な効果を人々に伝える伝道師のような一面をもって、村人たちの閉ざされた心を解放しようとします。


さて、どちらが正しい人間の生き方なんでしょうか?・・・などとのたまっているようでは、このHPも「お堅い」と読者の皆様から批判されるでしょうか(^^;)。まあ、堅い話は抜きにして、人間の欲望について考えさせられる内容であり、そして見終わった後は無性にチョコレートが食べたくなる映画であります。



「ショコラ」公式HP




ホームページへ戻る]