■日本の心を美しくする 今月の当会推薦映画



映画『ペイ・フォワード 「可能の王国」』  〜過去を完了すること〜

公開:2000年(米)
監督:ミミ・レダー
主演:ケビン・スペーシー/ハーレイ・ジョエル・オスメント
推薦者:橋本六穂(第1回原稿募集企画大賞受賞者)



■あらすじ
トレバー少年(ハーレイ・ジョエル・オスメント)が描く図がネズミ講!と瞬時に反応した方も多かったこの作品は、はやりの非現実的な癒し系作品とは一味違います。

新任の社会科教師シモネット(ケビン・スペイシー)は「自分達の手で世界を変える。それが君達への課題だ」と言う。トレバー少年は、ペイフォワードを考え出し、アル中のホームレス(ジェイムス・カビーゼル シン・レッド・ライン以来ネ!会いたかったわ、カビーゼルちゃん!)との交流を始める。トレバー少年の善意は、やがて予想以上に広がっていくが・・・


■過去を完了すること

そもそも、私たちは旅をしているのです。自分自身は何者であるかを知るための旅を。ペイフォワード(原作者の造語で、受けた善意を受けた相手に返報する代わりに自分が選んだ別の相手に厚意で報いるという意味)をする、未来を作リ出すためには、自分自身の過去を完了しなくてはならない。この作品のホームレスの意味するところは、日本で解釈されるような「働かない人」「人生の落伍者」ではありません。

ホームレスとはどのような意味でしょうか?ホームとは、私達の心の根源。レスは源の接続を失った人。安住の場所がない人。根源との繋がりという意味で、私はこの作品を見ながら自問自答していました。「俺には本当の家があるのかと?」「実はこのことが完了しない限り、ホームレスとは私自身のことではないのか?」「家がある。家族ある。だからホームレスではない?家族に対しての自分の在り方はどうだったろうか?」ペイフォワードによって人は避けていた自分の過去を正面から受け止めそして、それを伝えるべき人に伝えていきます。

ホームレスとなっているトレバーの祖母グレイス(アンジー・ディキンソン 女刑事ペッパー懐かし〜)にアル中の母アイリーン(ヘレン・ハント)は、関係を改善し和解するというペイフォワードをするために、正面から向き合い娘は母を許すと言います。シモネットは自分が父から逆態を受けてきたことをアイリーンに告白し父との関係を完了します。誰もが本当に向き合うべき人に宣言するのです。「可能の王国」を作るために。私達ひとりひとりが何を達成するのか?人生の旅をしながらそのことに序々に直面していくのでしょう。

自分の前方に無償の善意を提供すること、その結果に何が起こるのかはわかりません。私達は自分が何のために過去を完了をするのかを明確にする必要があるのだと実感して劇場を後にしました。


「ペイ・フォワード」公式ホームページ




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