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映画『トイ・ストーリー2』 〜本物を超える質感とその究み〜 公開:2000年(米)、ピクサー&ディズニー製作 主演:ウッディー、バズ・ライトイヤー 推薦者:黒岩宏光 ■素晴らしき「コンピュータ・グラフィックス」の世界 ![]() さすがディズニー映画です。 夢と魔法をのキャッチフレーズを裏切ることはありません。前作「トイ・ストーリー」や同じくディズニーの「バグズライフ」のフルCGアニメーションをさらに進化させた、最新、最高の映像を見せてくれます。子供向けとはいえ、笑いあり涙あり感動ありのストーリーは、ツボをはずすことなく大人でも存分に「夢」を楽しめます。 話は変わりますが、子供達の間で、全編フルCGアニメーションというと、「ビースト・ウォーズ」&「ビースト・ウォーズ・メタルス」が有名です。昆虫や動物たちがメタリックなロボットに変身して、サイバトロン軍とデストロン軍が戦うクールな映像は、アメリカの子供達を熱狂させました。もちろん日本でも、2年ほど遅れてTV放映され、おもちゃやキャラクター商品との相乗効果などで、大変人気でした。うちにも小学生の子供がいますが、ビーストウォーズの変身ロボットが家中に散乱しています。(^^;) ■伝説のフルCGアニメ「ReBooT」 さて、CGアニメファンの間で伝説のCGアニメといえばなんといっても、94年にアメリカでブレイクした「ReBooT」(リブート)というCGアニメです。「世界初フルCGアニメーション」は実はこの「トイストーリー(1)」ではなく、SGIシリコン・グラフィックス・ソフト社の製作したこの「ReBooT」が世界初です。これはすごい作品です。日本では96年にフジTVで深夜の時間帯に1度放送されただけなので、多くの方が知らないまま終わってしまった感がありますが、私はアメリカの友人からその噂を聞いていたので、運良く全編を見ることができました。(その後、全4巻がビデオ化になりました) 時進秒歩のコンピュータの世界での6、7年前というと、かなり古いCG技術であろうと思いますが、その中でこれだけのレベルの高い作品をよくぞ作れたという感があります。その驚異的な映像とクールな音楽とストーリーは、飽和点と思われていたアニメーション技術の限界をうち破り、新しい時代の幕開けを告げる、歴史的な作品と言っていいでしょう。まさに、「ReBooT」は今後登場するCGアニメのバイブルとなりうる内容でしょう。 そこで、CGアニメーションのタイプは大きく分けると2通りあります。 一つは、創造型です。人間の創造力をコンピュータを駆使して創り出す、今まで目にしたことのない色彩やデザイン、形などのファンタジックな映像を見せるタイプです。 もう一つは、実写型です。実際の世界と全く同じような質感にこだわり、実写により近く、見分けがつかないような写実的な映像を見せるタイプです。「トイ・ストーリー1,2」はこの実写型になりましょうし、「ビースト・ウォーズ」や「ReBooT」はどちらかというと創造型といえましょう。 ■本物を超える質感とその究み さて、話は脱線してしまいましたが、トイストーリー2の内容に戻ります。 この映画のすごいところは、先程もお話ししたように、実写的な映像美の中で「物体の質感」の表現が素晴らしいところです。例えば、人形のプラスチックの表面、堅さや柔らかさまでが伝わりそうなほど超リアルです。壁紙や布、地面や土の質感までありありと、コンピュータで作った作り物の映像とはとても思えません。 まさに、本物を超えています。本物を超えた質感──本物より本物らしくあることは、その特徴を深く洞察する目が必要です。本物に似せた、という位置では残念ながらなんの価値もありません。本物の特徴を捉え、模し、それを超える位置にまで達しないと偽物の意味がないのです。偽物の宝石は本物の宝石より光っています。モノマネは本物の表現を超えそして笑いを生み出します。それでこそ偽物、表現がちょっとへんですが、「真の偽物」の価値が生まれるのです。 創造型のCGアニメの話しもいたしましたが、ミクロとマクロのような方向の違う関係ではありますが、どちらもある次元で一致します。この場合映像を「究める、究めたい」という作り手が満足する地点になるでしょか、もう一段深いような地点で結びたいところですが、残念ながらそこではないでしょう。またそれでいいのです。見る者にとってもそのことに何の問題もありません。 何にしても、その探求を可能にする「コンピュータ・グラフィックス」の世界はとても素晴らしい、ということは確かなのであります。 |
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