「最近の弁護士ドラマ」 〜現代のサムライ「花村大介」〜
記者:黒岩宏光
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■アメリカの弁護士像 弁護士の数90万人といわれる、弁護士大国のアメリカでは(日本の弁護士数は約1万5千人)、TVドラマや映画などではもうすでに、弁護士もの法廷ものといったジャンルが確立され、日本でも人気であるが ジョン・グリシャム (「ザ・ファーム/法律事務所」「依頼人」「評決のとき」「レインメーカー」「ペリカン文書」など)のような法廷作家も存在している。その他、弁護士を主人公とする映画なども数多く、とてもかっこよく描かれている。法廷では正義のヒーローとなって熱弁を振るい、生活ぶりは華やかで、若くして高収入、その役をトム・クルーズのような二枚目俳優が演じているとなると、これは誰もが憧れ、今やアメリカを代表する花形の職業と言っていいだろう。・・・とはいえ、誰もがそう簡単になれるような職業ではない。 さて、1992年2月アメリカ・ニューメキシコ州の裁判で、自分がこぼしたコーヒーで火傷を負ったという老婆が起こした裁判は、このファーストフード店に2億9千万円の賠償金を支払うように判決が命じられた。このニュースをご存じの方も多いと思われるが、この高額な賠償金の内訳は、「懲罰的賠償」とよばれるものであり、企業などの社会的責任を金銭で償わせる制度である。 訴訟社会といわれるこの国では、この「懲罰的賠償」を楯に、成功報酬を企業からせしめんがための悪徳弁護士などが横行し、"基本的人権を擁護し、社会正義を実現する" などという格好のいい側面とは別に、この訴訟社会の問題を垣間見せていることも事実である。 アル・パチーノ主演「ディアボロス」(1998年)などという映画は、現代の悪魔は弁護士に宿るというストーリーで、なるほど今の時代のこの国を象徴し、風刺が含まれた内容になっている。 ■「花村大介」と「合い言葉は勇気」 陪審員制度といった、市民が直接裁判に参加するアメリカとは異なる日本の裁判制度では、今ひとつ裁判所とのお付き合いなども薄く、日本では法廷を扱ったドラマはまだまだ少ないのであるが、今回のクールで放送されているドラマの中で、弁護士が主人公のドラマが2つある。 「花村大介」と「合い言葉は勇気」である。(どちらもフジTV系) 「合い言葉は勇気」に出てくる役所広司演ずる弁護士暁仁太郎は、売れない役者が演じるニセ弁護士ではあるが、ある村が産業廃棄物処理の企業を相手取って訴訟を起こすという法廷ドラマの主人公である。 ニセ弁護士でありながら、村長の娘に恋をし、村民のためにいつしか自分を捧げ、村を廃棄場にしようと企む企業に挑む姿が面白く描かれ、脚本が三谷幸喜氏ということで話題になったものの、視聴率の面では少し苦戦しているようである。この辺の嘆き話が先日の新聞コラム(9/12朝日新聞夕刊)に三谷氏ご自身の筆で出ていたので読まれた方もいらっしゃるのではと思う。 「花村大介」の方もユースケ・サンタマリアの演じる一流法律事務所に勤めるが一見冴えない弁護士と、彼を苦情処理係として扱う会社と、一流大学出身のエリート社員の後輩との構図の中で、花村大介の見せる人情味のある弁護士ぶりが光る、ヒューマンドラマになっている。 ■現代のサムライ「花村大介」 どちらのドラマも視聴率とは関係なしに、とても見応えのある面白いドラマである。この二つのドラマに共通するのは、もちろん弁護士という職業であるが、どちらも裁判の流れや内容など、リアリティを出す演出もあり、法廷でのやりとりなどが詳しく書かれている。この辺も、興味の引かれる演出となっている。 特に「花村大介」の人情弁護士ぶりには、好感が持てる。一度も裁判の経験がなく、もちろんトム・クルーズのようなカッコよさもない三流弁護士の花村が、気合いとハッタリ、義理と人情で毎回裁判に勝ち進んでいくストーリーはとても痛快である。 被害者を思いやる優しさと思いやり、そして勇気を携えた、真の弁護士といえるような、「法」というルールの中で戦う、新しいヒーローを見るようである。時代は変わり、かつてのサムライが刀を六法全書に持ち替え、法廷を正義の合戦場として活躍しているように見えてくるところである。 残念ながら、これらのドラマも来週で最終回をむかえるのであるが、サムライと弁護士、時代は変われど優しさと人を思いやる人間の心は変わらない。 今後も日本製の人情あふれる弁護士<サムライ>のドラマをぜひとも見たいところである。 |
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