■今月のコラム

「キーワードは反省」 〜サル編 (後編)〜
 記者:愛川 良樹



 前編ではサルに大変失礼な2つの事件を検証してみました。後編では「反省」ということについてさらに考えてみたいと思います。

■次郎君の反省

 「反省」 サルこと次郎君のことで面白いエピソードをご紹介しましょう。それは 「反省」 という芸は警察で生まれたということです。  ある時、親方である村崎氏と相棒の初代次郎君が巡業しているときに、突然次郎君が東京都内のある小屋から脱走したそうです。付近を逃げ回りパトカーも出動する騒ぎになりましたが、次郎君は空腹との戦いに負けて戻って来たのだそうです。当然、親方と次郎君は警察で散々しぼられたのですが、次郎君はあくびをするばかり・・。

親方が思わず 「お前も反省しろ!」 といったら、次郎君は親方のひざに手を置き、カクンと頭を垂れた。これには、警察官も大笑いしたということだそうです。TVCMにも出演し一世を風びした「反省」は、何とも皮肉なことに最近不祥事が相次いだ警察というところで生まれたのでした。

記者会見等で遺憾(?)の意味で本部長クラスの人が、関係者数人と一緒に頭を垂れている姿をTVや新聞で何度となく見ました。この光景を見るたびに、次郎君とダブって見えるのが何とも滑稽に思えるのは私だけでしょうか。
「形だけ・・?」と思ってしまうのは偏見でしょうか。


■「反省」を邪魔するもの

 前編 でも2つの事件について関係者は反省していただきたいといいましたが、では本当に反省ができるのでしょうか。大多数の職員や従業員の方々は、まじめで勤勉に違いないのに本当に気の毒なことです。おそらく関係者の一部は、自分なりの理由付けをして、自分も被害者であると言わんばかりの人もいるでしょう。

責任をとるのは自分ではない、と大半の人が口に出さないまでも思っているのではないでしょうか。自分が可愛いいあまり自己弁護に精力を費やし、自分自身を納得させるのに力を注いでいるのではないでしょうか。そして他人や環境のせいにしているのではないでしょうか。

これが 「反省」 を阻害し邪魔しているもっとも大きな要因でもあると思います。プライドや体裁作りにサル知恵をしぼり、やっていることがサル芝居では到底反省はできないのではないでしょうか。次郎君のように少なくとも形だけでも 「反省」 の気持ちを表現してもらいたいし、それなりに伝わってくるものが欲しいものです。


■素直さ

他人に迷惑をかけた事実があって、それに自分も関係したということであるならば、関係者の一人として本当に申し訳ないという思いを持っていただきたい。そして、このようなことは二度と起こしてはならないし、起こさないようにしますと誓っていただきたい。とかく言い訳をしたくなるのは人間心で仕方ない面もありますが、何をさておき、まず心底申し訳ないという思いになっていただきたいと思います。まず自分自身でそう努力していただきたいと思います。

 自己防衛・自己弁護に走りすぎてかえって反発をかい、迷路から抜けられなくなった経験をされた方も多いでしょう。自分の思う方向とは逆に回りがいってしまう。こういう経験もあるのではないでしょうか。それは自分自身の中の邪魔者が出てそうし向けたということでしょう。素直でない自分が出てしまったのではないかと思います。事実を素直に受け入れることができなかったときに、そうなることがあるのではないでしょうか。私達は、事実を素直に受け入れられる強い自分になりたいものです。そのためにも次郎君のように、形からでもいいから事実から逃げずに 「反省」 ということを大切にしていきたいものです。


■反省の方法

 難しい反省行というのは、なかなかできないと思います。参考までに反省の方法として、仏教的には 「八正道」 というものを基に行うのがあります。八つの正しい道ということで、正しい見解(正見)、正しい思惟(正思惟)、正しい語り(正語)、正しい行為(正業)、正しい生活(正命)、正しい努力(正精)、正しい念(正念)、正しい心を統一(正定)の八つに分類するのだそうです。

 また、キリスト教的には教会の牧師さん立会いのもと、神の前で 「懺悔をする」 ということになると思います。

いずれも人間としての正しい生き方をするのに大切な観点であると思います。


■キーワードは

 人間として素直で、明るく、他人にやさしくて親切で、感謝の思いを忘れずにいつも美しい心を持ちたいものです。 次郎君に笑われないような人間にならなくてはいけないのではないでしょうか。

サルでもできる 「反省」 が、人間としての正しい生き方のキーワードになっていると思います。本当に 「反省」 をしたとするならば心に付着したサビびやアカが落ちるようにきれいになっていくのではないでしょうか。自分の心についたサビやアカは、自分で磨かずして誰が磨いてくれるのでしょうか。そして、自分の過ちに気付いたならば素直にいつでも 「反省」 するように努力していきたいものです。つまり、人間だから 「反省」 ができるということなのではないでしょうか。今からでも遅くないと思います。大切なキーワードのひとつとして忘れないようにしましょう。 あなたの身近な回りの人に聞いてみてください。そして伝えてほしいと思います。

あなたにとって人間しか持っていないキーワードは何ですか? と・・

そして、大切なキーワードのひとつとして 「反省」 もありませんか?!と・・







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