■「心の寒さ」
お互いを知らない6人の人間が遭難にあい、
暗闇と厳しい寒さの中に閉じこめられた。
それぞれが木の枝を1本ずつ持っていたと、
この話は伝えられている…。
消えかかった焚き火に薪が必要になった。
最初の女は自分の枝を手放さなかった。
焚き火を囲む面々の中に、
黒人がいることに気づいたから。
次の男は焚き火の向こう側に目を向けた。
自分の教会では見ない顔を見つけると、
自分の樺の枝を火にくべることが、
どうしてもできなかった。
3番目の男はボロ服をまとっていた。
彼はコートの襟を引き寄せた。
怠け者の金持ちを温めるために、
どうして彼の枝を使う必要があろうか。
その金持ちはただのんびりと座っていた。
自分で貯えた富のことや、
どうやって怠け者の貧乏人から、
自分の財産を守ろうかと考えていた。
黒人の男は復讐の念を顔に表わした。
焚き火の炎が彼の視界から消えていく。
自分の枝を見て考えることといえば、
白人をいじめるチャンスのことだけだった。
この惨めな集団の最後の男は、
自分に利がなければ何もしない男だった。
与えてくれた人にしか与えない、
というのが彼のやり方だった。
死人たちの手にしっかり握られていた薪は、
人間の罪の証だった。
彼らは外気の寒さで死んだのではなく、
心の内なる寒さで死んだのである。
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【選者の一言】
今回の「心の寒さ」、あなたは身にしみて感じたことはありませんか。自信を持って「ない」と言える方は幸せな方です。あなたの中に眠っている「心の寒さ」をたたき起こし、「心の暖かさ」にスイッチオンしましょう。
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