■今月のコラム

得意技を磨く

 記者:井出哲由




■得意技を磨く

 先月、埼玉県の女子中学生二人が自ら命を絶つという、悲しい出来事がありました。輝かしい未来がある、若者の死は非常に痛ましく残念でなりません。



 私は幼少の頃、病弱であったこともあり小中学校時代は、楽しい思い出はあまりにも少なく、辛いことの方が多かったように思います。現在のような環境であれば、私は「いじめ」にあっていたと容易に想像されます。

 しかし、中学生の頃より、電気に興味を持ち、電気、無線の世界に没頭するようになりました。おのずと高校の電気科に進み、電気理論、数学を学びました。この二つは私にとっては、かなり難しかったと記憶していますが、この時の難しい理論の思考(考えを練る訓練)が現在も充分に役立っています。

 やはり、学生時代の「学び」、特に好きな分野の勉強は本当に大切だと痛感しています。今になって考えることは、さらに英語をもっと勉強しておけば良かった、との思いを強くしています。(専門とは違う領域にも、もう一つの井戸を掘る) そして、青春時代には「自己に対する計画的投資」が必要である。という言葉を、しみじみと思い出しています。

 一つの自分の好きなこと、得意なものを伸ばしたことが、現在の私の基盤になっています。二人の息子には「得意技を磨け」と教えていました。そのせいかどうか、それぞれが得意な分野で仕事に励んでいます。



 長男はドイツに出向して一年になりますが、ドイツ人は、人に優しい、自分のしっかりとした意見を持っている、勤勉である、と感想を述べています。

 ドイツの公立学校では宗教の科目があり、キリスト教の教えを学んでいます。
聖書の精神で現実の諸問題をどう解決するか、生活の中でどのように生かすか?この普遍的価値観による、論理的思考力を鍛えており、これがドイツの精神的支柱となっているのではないのでしょうか。(教えによる理性も養成される)



 日本でも、豊かな現代社会の中で直面している様々な問題(学校でのいじめ、自殺者の増加、倫理観の荒廃)を解決するための、価値基準がどうしても必要です。

 子供達にも、善悪、愛、優しさ、思いやり、素直さ、人間の尊厳(命の大切さ)、人生の意味などをさらに教える必要があります。人類の普遍的価値である、愛の精神・慈悲の精神など(精神的支柱となるもの)を、もっともっと道徳教育に取り入れていく必要性を痛感しています。

 日本の将来を担う子供達の、健全な精神を養成するためにも「温故知新」、「心の教育」について、さらに真剣に検討して欲しいものです。

 豊かな個性ある子供達が、それぞれの得意分野を磨き、世界の繁栄発展に大いに貢献する、立派な人間に成長することを願っています。






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