■今月のコラム

「教育再生の鍵、教師の質の向上」

 記者:広野まり



■都立高校の教員を大手予備校に派遣

東京都教育委員会は、新宿高や西高など都立進学高校の教員約100人を大手予備校である駿台予備校や代々木ゼミナール、河合塾の三予備校の夏季講習に派遣し、受験生に交じって予備校講師の授業を受けさせる試みを始めたという。

教育再生の鍵のひとつに、教師の質の向上があると思うので これはいい試みだと思う。教師がデパート等で研修するよりは、はるかに教師に刺激を与える方法といえるだろう。東京都が先陣をきって、新しい試みをしていくことで、全国によき影響を及ぼすことを期待している。


■人気講師のタイプ

もう20年も前の話になるが、私も大学受験のために、駿台予備校に通った経験がある。当時も大変な人気講師が各教科にいた。今ならカリスマ講師と呼ばれるに違いない。

人気講師の講座をとるのに、まるでアイドルのコンサートチケットをとるように行列ができた。授業なのに立ち見の人までいた。
人気講師のタイプは2種類あったと思う。

ひとつは教える内容がいいこと。講師が黒板に書いた内容をひたすら写すような授業であったが、そのノートをまるごとマスターすれば、合格間違いなしといわれるほどのものだった。

もうひとつは感動を与える授業で、生徒の人生に影響をおよぼすようなタイプ。たとえば今はテレビや雑誌でもよくお見かけする数学者の秋山仁先生。秋山先生は、駿台予備校では人気ナンバーワンといってもいい存在だった。東大に出題されるような難しい問題の解答を示しながら、 

「ごく普通に思考していけば誰だってこんな問題は解ける。しかしこんな問題が解けることが偉いことではない。キミたちは横断歩道を渡れない老人に手をさしのべることができるような人間にならなくてはいけない」 

など、秋山先生の人生哲学をからめた授業で、涙がでそうになるくらいの楽しかった。私は秋山先生の授業で初めて、数学がこんなに面白いものかということを知った。


■教える技術の向上を

学校の教師は、教える技術の向上と合わせ、生徒によき影響を与える聖職者であってもらいたいものだ。その点予備校で「修行」することで、大いに得るものがあると思う。もうひとつ付け加えると、文部科学省のお役人方も、予備校や塾で研修してはいかがかだろうか。








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