■『21世紀の企業像と経営者、管理者の役割』



 第三回 

■愛の経済学 =理念経営における人間関係=

「愛」という言葉を聴いた時、あるいは言葉として発する時、皆様は何を想いますか?想いつくままに並べてみますと恋愛・親子愛・兄弟愛・友愛・隣人愛・郷土愛・祖国愛・人類愛・信愛・敬愛・博愛・慈愛等沢山の言葉があります。これらの言葉を想うと心が暖かくなり幸せな感じとなります。

一方、この反対の言葉を並べてみますと嫌悪・憎悪・怒り・うらみ・ねたみ・悪口等心を暗く冷たくする言葉があります。愛は人の心と人の心を結びつける力であり、光であり、生命であり、勇気であり、進歩であり、調和であり、そして情熱です。その反対のものは人の心と人の心を断ち排斥しあう悪しき力となります。「世のため、人のため」は企業活動における愛そのものであり、愛の実践であるのです。

心のバランスシート(貸借対照表・B/S)を考えてみましょう。自らの心の内をみつめたら資産(愛)と負債(悪)とどちらが多いでしょうか?与えた愛と与えられた愛あるいは奪った愛(悪)とどちらが大きいかで、心の豊かさが決まります。



A図は資産が負債を上回り黒字の状況を示しており、B図は負債が資産を上回り赤字を示しています。赤字を消して黒字化するには二つの方法があります。ひとつは愛の実践や良きことを積み重ねて資産を増やす方法です。愛の実践を行いながら、悪を重ねることはまずできません。心は二つに割れて愛と悪を同時に想うことはできないからです。

もう一つの方法は負債を減らすことです。反省をして、他の人のせいにしたり、人の心を傷つけたことを悔い改め、悪を取り去ることです。反省とは単に振り返ることをいっているのではなく、本来の自分にかえるため、良心や内面の道徳、人間の尊厳を取り戻す行為です。また感謝は負債を減らすとともに資産を増やすことになります。反省や感謝は簡単なことのようですが、習慣化するには相当の努力がいることを実感しています。それだけに習慣化できたときの効果は絶大であります。

生身の生活では悪を行じることも言葉として発することがありますが、その時はすぐ借金をかえすことです。つまり反省をし、謝ることです。そうすれば愛は力を復活させ、心と心は結びついてより大きな仕事をはたすのです。
心の豊かさがリーダーの器であり、富が集まってくる磁石となっているのです。愛は与えきりとなるのですが、その見返りはどこからもたらされるのでしょうか?与えた相手からでしょうか?そうではなく、与えた愛は仏神から戻ってくるのです。まず人の幸せを願う。愛が通う合い、心が喜ぶ。そうした心が家庭や職場や地域に満ちた時、そこにユートピアが出現するのです。

愛は見返りを求めて与えるものではないのですが、与えたものは必ず与えられ、愛は増殖して豊かな富を生み出します。つまり、心の豊かさが実際の企業経済に投影されて豊かさ、繁栄が実現されるのです。公の仕事をはたしながら、豊かなる富を積むことは仏神の願いでもあるのです。



■経営者の使命 =リーダーの条件=
リーダーの条件の第一は徳といわれています。徳は持って生まれたものではなく、逆境や順境の中で培った後天的な精神的遺産です。絶え間ない努力や不退転の決意、湧き出る情熱や使命感で大きな目標を達成した時に生まれるものです。そうした人格の力を備えた人は教化力や感化力を持ち、あの人のように成りたいという後に続く者が必ず現れます。 困難や責任を取るべき時に他人の責にしたり逃げ出してしまう人は不徳の人としてレッテルを貼られてしまうことになり、大きな仕事はまずできないでしょう。

よき経営者になるためには次のことを心がけて意思決定して行動することです。
  • 第1にバランス感覚が優れている…人材登用(適材適所)・金銭感覚(収支)
  • 第2に未来志向・戦略思考がある…楽天的・自己変革を恐れない・夢を描く
  • 第3は「世のため・人のため」…奉仕の心・愛・人の喜びを喜びとする
リーダーにとって、徳を求める心は資質の絶対条件でもあるのです。心のバランスシートを常に黒字にしておく、心をいつでもダム型にしておくことが大成の条件であるからです。
中小企業ではトップの人格や品位が社風を決めます。中小企業特に起業レベルでは、経営者の全人格が評価の対象であり、信用の源となっています。バランス感覚では人の使い方、金の使い方が、「生かして使っているか」「黒字化において有用かを予測して決断する能力があるか」が問われています。

 情に流されてしまう。
 善悪の判断ができない。
 泣きつかれると拒われない。
 マイナスを切る勇気がない。
 誘惑に弱い等です。

そうした人の良さ(甘さ)が赤字を生んでしまうのです。人の使い方では目標を掲げ、出番を与えて、結果を公平に評価して待遇を決められるのがよいトップです。これを身につけるには様々な経験と学びがなくては習得できない資質で、3月のコラムの「社長失格」はこのバランス感覚が不足していたのではと記事を読んで感じました。

未来志向の楽天家はどんな時も希望を失わない明るさをもっています。ピンチになればなる程に平常心や不動心が、成功すればする程に謙虚さと感謝が求められてきます。その時に陰陽なたなくいつも明るく素直な心で事に当たれる人は一流のトップで、必ず支援者が現れるでしょう。更に夢を抱く力はトップの器そのものです。

 成功した姿、人々が幸せになっている姿、あるいは街でも商品でもサービスでもそれが人々に喜ばれているイメージをありありとヴィジュアライゼーション(視覚化)できれば、やがて協力者や必要な経営資源は集まってくるものなのです。起業レベルや局面の転換期には明確なヴィジョンをしっかりと描いた上で、計数化(目標値)します。この策定を通して確信を得られた経営戦略は100%達成できるでしょう。またそこにたどりつくまで日夜考え続けるのが成功のポイントでもあり、夢を描いて明るい未来を拓くことがこの時代の経営者の使命となっているのです。


桜前線はどこまで北上したでしょうか?5月は新入社員や若手社員の皆様へ「トップが期待するヤングエグゼクティヴの条件」を述べます。ありがとうございます。





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