■『21世紀の企業像と経営者、管理者の役割』



 第六回 

−ピンチのあとにチャンスあり−

対戦相手があるボールゲーム、例えば野球・サッカー・テニス・卓球・バレーボール・バスケットボール等をプレーしたり、観戦することが好きでしょうか?単に趣味としてのゲームでしたら緊張感はあまりかかりませんが、チームや学校・会社の名誉がかかったり、これで来シーズンの契約や年俸が決まってしまったり、賞金がかかっているとなると、プレッシャーは相当なものになります。プロや一流のプレヤーはこの緊張感があるプレッシャーをはねのけて勝利者になることに喜びを感じるのです。ボールゲームでは、よくゲームの流れが自分にあるとか、相手に傾いたとか言います。またピンチのあとにチャンスありという言葉もよく使われます。では、この言葉の意味を考えてみましょう。


■ピンチを乗り切るための勇気を生み出す
人生にも仕事にも栄枯盛衰や逆境が来ることは避けられません。自分としては最善の準備と努力をしたにもかかわらず、状況が変化したり、予想した以上の課題が突然に出現したりして挫折を味わうことも、仕事の中でしばしばです。私も一生懸命に開発した新製品が売れずに在庫の山を築いたり、資金的に大きな負担をしょってしまったりして仕事に行き詰まってしまった経験を幾度もしています。組織の中では昇進や新事業の人事において、不遇をかこうこともありましょう。あるいは責任をとらされたり、冤罰的な処遇を受けて、深い悲哀を味わうことも時にはあるのです。

一方、経営者の悩みの80%以上は資金不足です。売れない、コスト高、不良等による損失の発生等により収支バランスが狂い資金が欠乏するからです。資金不足は結果であり、原因は収益力の劣化です。しずれにしろ、勇気を与える立場からは、「今どんなピンチ(困難・逆境)にあったとしても、全力を尽くして解決しない課題はない」「自らの内に問題解決能力がない問題は表れない」と考えるのが勇気の源です。

事実はその通りなのです。自分には初めての経験であり、一見極めて難解であると思われることでも、今までの蓄積した経験や人脈を活用して寝食を忘れる程に頑張って解決しないことはまずありません。まずは強い達成意欲(闘争心)を持ちましょう。次に、活路を見いだすまで考え抜くことです。その問題解決が多くの人々に役立つことであれば、インスピレーションが湧いてきます。そして達成した喜びをありありとイメージして、実現するまでやり抜くことです。ここが勝負です。達成したあるいは実現した姿をありありと描き続け新しいエネルギーを生み出して、不退転の決意でやり抜きます。

このピンチを抜け出してワンランク強くなった自分の姿を明確にイメージして、この課題から学ぶべきことは何かと自らに命題を与えるのです。決して環境のせいにしたり、部下や家族や友人や話を持ってきた人の責任にしてはいけません。全ては自己責任と自助努力の結果なのだと謙虚に受け止めて「人事を尽くして天命を待つ」心がけですすめることがピンチを脱する鍵なのです。頑張って行きましょう。



■勝利の成功体験を積み重ねる
ボールゲームでは、チャンスをつぶしたあとにピンチが来て、失点したり負けたりしてしまうことがよくあります。競り合いのゲーム状況、緊迫した厳しい局面ではチョットした小さなミスが致命傷となります。それは単に技のみが原因となるわけではなく、作戦面や心理面でピンチをまねいてしまうのです。相手が自分の弱点をついてくることや闘争心に恐れを感じたら、勢いにおいて負けてしまいます。そしてチャンスを生かせなかったミスが、今度は相手に攻められた時に弱気に働いてしまうため、力関係は一辺に逆転してしまうのです。こうした経験を幾度か繰り返すと”苦手意識”が生まれ、更に続くと負け犬根性が身についてしまいます。

もし、組織の中で負け犬根性が身についてしまえば、よい仕事のチャンスが回ってこなくなるのは勿論、いじめられやすい人になることが多いようです。経営者ではまず発展する経営者にはなれません。

ピンチを幾度となく脱してきた人には、自信が漂っており結果を期待できるので、この局面でこの仕事をしてもらうならばあの人にお願いしようとなるのです。つまり出番が与えられるのです。ですからどんな時も全力を出せるだけの日常の精進を続け、小さな成功体験でよいから勝ちぐせをつけることがビッグゲームの勝者への道であります。


■夜明け前が一番寒い
どんな夜も明けないことはないのです。今、20世紀の終末は暗く正に世紀末現象が国際政治、世界経済、人口爆発と少子化問題、環境問題やクローンや脳死問題、教育等にイノベーション(変革)の時の真只中にあります。この暗い世紀末もやがて21世紀となり、新しい文明が生まれてくることでしょう。東の空には黄金の雲が輝き始めています。そのことを確信できるか?新しい夜明けがくることを、新しい未来が必ず開けると信じられるか?未来は明るいとありありとイメージできるか?が21世紀におけるエリートの条件となっているのです。

明るい未来を拓くために「心と力」を合わせて前進しましょう。

次回は「人生計画を立てる」ということで、ありありと明確な目標を立てることの大切さを、私の人生に重ねて述べたいと思います。





ホームページへ戻る]