
W杯フランス大会直前
2002年W杯日韓共催記念 拡大スペシャル!
第7回 韓国「ニューエイジの胎動」 記者:赤菱 昇太(フリーライター)
■憎たらしきは朝鮮人目が細く眼孔鋭い。 エラが張り、威圧感のある顔。 すぐ怒り、暴力的である。 これは当時私の韓国人に対して抱いていた印象である。
当時16歳の私が、都内の高校に通学していたときの話である。 ■わき起こる”ニッポン!”コール
ミイラ取りがミイラになる。ということわざがあるが、この自他共に認める韓国嫌いの私が、まさにそのものの経験をすることになるとは思わなかった。反日感情まるだしの殺気立つスタジアムを想像したが、見事に予想が外れた。韓国サポーターは友好的なのである。 なんとこの地で韓国サポーターによる”ニッポン!”の大コールを聞くことになるとは夢にも思わなかった。約1万5千人の日本サポーターから返す韓国コール、なんと史上初めて日本と韓国でエールの交換が行われた。ちなみに今回、この地で「君が代」が吹奏されるのも以外だが戦後初めてだったそうな。 「一緒に行こうフランス」の横断幕も掲げられ、和やかな波動に包まれ、全く予想もしなかったことが起きている。 韓国サポーターと日本サポーターが一体となって場内を巡る大ウェーブを作り上げる。相手の潰し合いではなく、逆に相乗効果を生みだそうとするような場内。 こんな日韓戦は初めてだ。 韓国は既にフランスW杯への切符を手に入れている。 そして韓国は、もう一枚の切符を、日本が手に入れてくれることを望んでいる。 日本と韓国でW杯2002年共同開催を成功させるためにも、W杯フランスへ共に出場する事を望んでいるのだ。 アジアの兄弟国として、良きライバルとして、自分たちのため、そしてW杯成功のため。 このとき私は、今日の一戦は日本が勝つことを確信した。 ■侵略に次ぐ侵略の歴史、韓国民族 この日の日韓戦に関して、韓国マスコミの調べで、国民の間で意見が分かれたそうである。 ・どのような状況だろうが、死んでも日本戦には負けてはならない。とする意見と、 ・今回は日本に勝ちを譲るべきだ。との意見である。 死んでも日本にだけは負けてはならない、とする意見を持つ方々の背景にある物は何か。言うまでもない、幾多の日本による韓国侵略の歴史を通し、日本に対する恨みと憎しみがこもっているはずである。 日本の韓国(朝鮮)侵略の歴史はほんの数十年ほど前に始まったような出来事ではない。豊臣秀吉の時代まで遡ることになる。 調べてみれば、韓国の歴史は相次ぐ侵略を受け、たいへん不遇な歴史であり、気の毒な民族である。 古朝鮮からの古くからの歴史を持つ国だが、13世紀頃からモンゴルの侵略を受け、その後15世紀には日本の豊臣秀吉による侵入をうける(文禄・慶長の乱)。16世紀には、清軍の侵略をうけ、18世紀にはまたも日本軍による開国を迫る侵攻(江華島事件)があり、その後19世紀には、日清、日露戦争後による日本の植民地統治の時代になる。 このように韓国の歴史は侵略、そしてまた侵略の歴史である。 植民地統治時代には、日本語の強制教育、シベリアや日本本土への強制連行、強制労働などの屈辱をうけ、彼らは過酷すぎるほどの不遇な歴史を歩んできた。 在日している韓国人のルーツは、ほとんどがこの強制連行され、日本に渡ってきた方々から始まっている。 多くの国民が、日本のことを恨み、「自分たちの不遇は日本のせいである」と言われてもいたしかたないものがある。 ■新しい世代の胎動 今でも韓国の多くの人々は、私たち日本人を許すことなく憎んでいるのだろうか。 しかし、恨もうが憎もうが、時は流れ続けている。 悠久の時の流れの中で、古きは去り、新しきは生まれ出る。 当時を知る人々も年を追うごとに少なくなり、 戦争があったことなど全く知らない世代が新しく生まれ、増え続ける。 「私たちと一緒にフランスへ行きましょう!」と日本を応援してくれている世代の多くは、10代から20代の若者だ。 もう韓国は、そのような反日感情は過去のものとなりつつあることを、 その転換期を、新しき胎動をここで感じる。 ここソウルで以下のような詩を即興で作ったので、適当に曲を付けて口ずさんで欲しい。 (一番) そんな遠い昔のことで悩んだって 恨んだって 俺達の未来は良くなりはしない 何でもかんでも 日本を悪者にして 責任をなすりつけるのは 簡単だけど そんなことで 俺達は幸せになれるのか? 俺達の未来は 過去にあるのではない これからの可能性の中にある 俺達が新しい韓国を 作っていくよ〜ん (二番) そんな遠い昔のことを根に持ったって 怒ったって 俺達の未来には関係ない 自分たちの不遇を 日本人のせいに しておけば 丸く収まると思ったって そんな考えで 俺達は明日に勝利できるのかい? 俺達の未来は 他国や他人に影響されるのではない 自分たちの可能性の中にある 俺達が新しい韓国を 拓いていくよ〜ん ■ありがとう韓国のみなさん 試合は思った通り日本が勝利した。間違いなく、韓国の人々は日本と共にW杯に出場することを選択してくれたのであると、私は思う。 私たち両国の未来を考え、最善の道を選んだのだと思う。もちろん選手達はあくまでもスポーツマン精神に乗っ取ったプロの選手達であり、八百長などするはずはない。試合後、日本に2失点したあまりにの悔しさで泣き崩れてる選手もいた。 そうではなく、「心の中」での話である。”おもい”の中での話なのだ。 彼らの選択、大人の韓国、新しい世代の胎動の結果、それがこの試合内容だと思っている。 そして、決してサッカーの勝負の勝ち負けの問題だけではない、新しい世代の韓国が育っていることを切に感じるのである。 ありがとう韓国の皆さん。私は、今まで自分自身の中で「一方的な悪い韓国像を思い描いていたこと」をとても反省している。このことは、決して韓国の方の責任ではなく、自分自身の責任であり自分自身の選択の結果である。 自分自身の選択の結果であれば、自分自身が変えていくことができるはずである。 私は今、韓国の皆様と、新しい友好関係を築いていける可能性を選択できることを確信した。このことはとてつもなく幸福なことである。 2002年、彼らとW杯を共に開催できることを心より感謝します。史上初めての2カ国共催という結果は、最善の結果であり、最高の喜びだと確信しています。 本場の焼肉、キムチなどはとても美味しく、町の人々は皆親切です。 韓国がとても好きになりました。 この夏のW杯フランス大会は、日本と共に韓国を応援します。 次回は、「中華人民共和国」新興産業地帯レポートの予定です。 |
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