■シリーズ「ワールド・スピリット」 世界の文化を訪ねて

北朝鮮は日本と近いにもかかわらず秘密のベールに包まれた国です。
今ひとつ国民がどのような暮らしぶりをしているのかよく分かりません。
韓国を渡航した際に、板門店を経て北朝鮮を簡単に訪れるというわけにもいかず、
私も渡航歴はありませんし、とにかく情報を入手するのが困難な国です。

いやしかし、ひとつ面白い情報を入手しました。


第12回 「北朝鮮−ゴジラと金正日総書記」  記者:H.K
■アメリカ版ゴジラ来襲
98年5月、映画ハリウッド版「ゴジラ」が「インデペンデンスデイ」などを手がけたローランド・エメリッヒ監督の手によって完成し、世界各地で絶賛上映中である。

こんなのゴジラじゃない!!

おそらく日本のゴジラファンといわれる多くの貴兄が激怒されたここと思う。
それもそのはず、アメリカ版ゴジラは日本の伝統あるゴジラのスタイルとは似ても似つかず、イグアナを模したは虫類系のスタイルなのだ。いっそのことゴジラとは別の名前を付けて上映した方がいいんじゃないかと誰もが思わずにはいられない。

そういう私もそのように感ずる一人である。私は別にゴジラのファンではないが、子供の頃からゴジラやガメラなどの怪獣映画を見て育ってきたという経緯だけはある。「やはりこれはゴジラじゃない」と一言だけ言わせてもらいたい。

そんなことで、このアメリカ版映画ゴジラは全く見る気がしなかったのだが、夏休みに私の小学一年になる息子が是非見たいと言って駄々をこねるので、仕方なく見に行ったのだった。

見た感想は、「これはす、凄い」の一言。
CG(コンピュータ・グラフィックス)の特殊撮影は完璧で、本当にニューヨークマンハッタンがゴジラに破壊されたのではないかと思ってしまうほど良くできている。(この際、ストーリーはどうでもよろしい・・・)
自らを映画通と自称しているが、CGを本職とする私なので、どうしても特撮やCGの仕上がりに目がいってしまうが、ここまでCGの完成度の高い映画はいまだかつてないと言い切れる。
前言の無礼を撤回したい。「アメリカ版のゴジラはやっぱりこのスタイルでいいです」

今やハリウッド映画もCGを使用した特撮技術も相当なレベルに達し、一段とそのグレードがアップしてきた。ほとんど実写と区別が付かないほどの特殊映像が大迫力で鑑賞できる。映画ファンにとってはうれしい限りである。
このCGを多用したアメリカ版「ゴジラ」はニューヨークでの興行も順調だそうで、商魂たくましいエンターテイメントの世界は、ゴジラグッズなるものの売上も相当なものがあり、今後もゴジラシリーズは継続され大きなドル箱となりそうだ。


■アメリカでもゴジラは大人気
日本版のいわゆるオリジナルゴジラは実は古くからアメリカでも有名で、テレビのドラマシリーズとして長く放映されていたそうである。
アメリカにも「ゴジラおたく」なるものが多くいるとのことで、ゴジラのビデオはもちろん、人形やその他グッズを収集し、フォーラムなどを結成する程のマニアが多く存在しているそうである。

原子力、核実験などによる突然変異としてゴジラは誕生したのだが、その環境破壊に対する警鐘とも受け取れるゴジラのメッセージ性が、アメリカの気質に受け入れられているという部分もあるのだろうか。

年齢は子供から大人まで色々な世代がいるそうだが、中心的な年代は中年層に多いそうである。古くから(昭和20年代に第一作が上映されている)ゴジラシリーズは映画上映されているせいもあり、古くからの根強いファンということか。

しかし、それにしても、いい年をしてゴジラはないだろう!?とお嘆きになる方もおらっしゃると思う。
どのような趣味に興じるかは個人の自由だと思うので、とやかく言う筋合いはないが、ここに一国の元首がなんとゴジラおたくであることが判明した。


■ゴジラファン「金正日総書記」
新聞テレビなどの報道でご存じの方もいると思うが、 北朝鮮の総書記であるところの 金正日(キム・ジョンイル)氏は、なんと自他共に認めるゴジラファン であるそうだ。

ぷぅっー、うぷぷぷっ、と笑いを隠せない。
あの、しかめっ面で強面のおじさんがゴジラファンだなんて、つい笑ってしまう。

いやしかし、彼のゴジラに賭ける意気込みは半端ではない。
自ら北朝鮮版ゴジラの構想をぶち挙げ、日本の東宝ゴジラ撮影スタッフを北朝鮮まで招聘し、本物の北朝鮮軍隊1万人をエキストラとして使用し、本当に北朝鮮版ゴジラを作成してしまったのだ。
1985年この映画は堂々完成し、タイトルは「プルガサリ」(チョン・ゴンジョ監督)と名付けられた。ハリウッド版のような華やかなコンピュータグラフィックスシーンなど全然なく、すべて実写で撮影されたそうである・・・。

その後、北朝鮮側の問題にて公開が見送られていたが、ついに13年の時を経て幻の映画「プルガサリ」は一般公開されることになった。

この「プルガサリ」は日本で98/7より都内単館上映されているが、連日満員の大人気だそうである。CGに頼らないレトロな感覚が日本の怪獣ファンに受け入れられたのだろうか。
ちなみに私はまだ拝見していないが、噂では相当面白いとのことである。
本当かな〜?


■金正日氏はいかなる人?
とかく情報がなく、鎖国状態で緊張感漂う北朝鮮であり、日本には北朝鮮の大使館もない。
そんなわけで、北朝鮮に渡航する場合はまず、中国の北京に渡り、朝鮮大使館にて朝鮮入国ビザの手続きを本人が行う必要があり、北京を経由するので中国の2回の入国ビザも必要になる。とても面倒な上、国際情勢の急変により、突然ビザの発給が停止され、北京で平壌行きの飛行機に乗れなくなるという事もよくあるそうである。

こんなちょっと怖い国にてこんな面白い話題があるなんて知らなかった。金氏の話もなにかほのぼのとした話題に聞こえる。
この金正日氏のおかげでゴジラの歴史に一段と迫が加えられた感があり、ゴジラファンにとってはうれしい出来事ではなかろうか。

ところで金正日氏とはいかなる人物なんだろうか?

深刻な食糧危機ともいわれ、多くの国民が飢えで苦しんでいると聞くが、今後の北朝鮮という国は大丈夫なのだろうか?
北朝鮮の偉大なる絶対的指導者、父金日成(キム・イルソン)主席の死去後、その去就が世界中から注目されている金正日氏だが、この徹底した社会主義国家の中で、国の舵取りすべてを彼が握っていると言っても過言ではない。彼は、2200万人の国民を幸福へと導くことができるのか。

う〜ん、ちょっと心配である。


次回、ワールド・スピリット(9/15号)は、「恐るべし台湾」 をお送りする予定です。
お楽しみに。



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