
■世界中が熱いぞW杯! 寝不足である。ご存じW杯サッカーは6/10開幕し、毎日熱い戦いが繰り広げられている。 FIFA国際サッカー連盟の発表では世界30億の方が観戦し、オリンピックを上回る世界最大規模のイベントといわれている。 日本でサッカーといえば92年にJリーグも発足し人気も出てきているが、南米や欧州に比べるとその盛り上がりは今ひとつのような感がある。 いやしかし、先日の日本が登場するアルゼンチン戦、クロアチア戦などでは軒並み67%の視聴率を記録したそうで、この大会期間中はお子さまからお年寄りまで、日本中の熱い関心を得てフィーバーしていると言っていいだろう。 しかし、フランスとの時差で好カードの試合が深夜に行われているので、ファンにとっては少々辛く、寝不足気味である。 ビデオに録画したり、昼間の再放送を見たりすればいいのだが、ニュースなどで試合結果などを先に聞いてしまうと、興ざめしてしまって再放送を見ても今ひとつ楽しめない。やはりスポーツは生放送で見るのがスリリングで一番面白いのだ。 ■W杯で知る世界の国々 W杯サッカー大会は世界を南米、北米、欧州、アジアのブロックに分け、各地区で予選を行い、それぞれの激戦区を勝ち抜いてきた栄光ある32カ国だけが出場できる。 昨年12月、大会一時リーグ組み合わせが発表され、日本はH組に入り、南米の強豪アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカとの対戦が決まった。 この後からTVなどで出場国のレポートや戦力分析、特に日本と対戦するチームの情報などが紹介され、色々な国々の情報を知る良い勉強になった。 6月に入り対戦間近になってからは、どこのTV局でも相手国の戦力分析や日本がどのように戦えばいいかなどの特別番組が連日のように放送され、飽きるほどご覧になった方も多いと思われる。 この対戦国の「アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカ」の3国は日頃あまり日本と馴染みのない国で、アルゼンチンは天才マラドーナのいる国/ジャマイカはレゲエ発祥の地/クロアチアはどの辺にあるのかよく分からない−といった程度の知識や関心しかなかったが、色々な番組で詳しく紹介してくれたおかげで非常に身近に感じられるようになった。 「敵国」というよりも、「同じ組の同じ目標に向かって努力する同友国」というような感じさえ覚え、親近感が沸いてくる。 ■クロアチアという国 この中でも「クロアチア」という国は特によく分からないという方も多かったのではないだろうか。今でこそマスコミが日本の対戦国として、この国の場所や歴史などをいろいろと紹介してくれたので理解された方も多いと思うが、私も正直言ってよく分からなかった。この国について得た知識を挙げてみると、 ・1991年旧ユーゴスラビア崩壊後、分離独立した国である。 ・独立宣言後、セルビア人勢力との間で内戦状態になり、約1万人が死亡した。 ・内戦後は難民流入、物価上昇などで経済が安定せず、国民の生活は苦しい。 ・W杯出場は、クロアチアとしては初めてである。 ・サッカー選手はタレント揃いで、東欧のブラジルとも呼ばれている。 ・以外だが、風光明媚な場所で、一時は年間1000万人が観光で訪れていた。 ・クロアチア料理、ワインなどがお国自慢だそうである。 中でもTV朝日「ニュースステーション」にて轡田氏(元サッカー選手、Jリーグ川淵チェアマンの同友)がクロアチアをレポートしていた興味深い特集があった。クロアチアの情勢、独立までの政治的背景、当時戦乱のあった土地での人々のインタビューなどの内容であったが、この中でチームの主将を努めるズボニミール・ボバン選手(MF、29才、ACミラン所属)のエピソードは特に印象に残っている。 94年サッカーの試合中にサポーター同士の乱闘があり、セビリア人警官がクロアチア人を取り押さえようとし暴力を振るっていたときに、ボバンは試合中の選手でありながら、この警官に向かって跳び蹴りを食らわせた。 会場は「ボバン」コールで包まれ、彼は後、この行動でクロアチアのヒーローになったのだが、この暴力行為で彼はサッカーの公式試合出場禁止処分になってしまい、夢にまで見た半年後のW杯アメリカ大会の出場を棒に振ってしまったのだった。 W杯出場はサッカー選手にとっての最高の栄誉であるのだが、彼にとって自分の国、自分の国の人々を守るための戦うとする姿勢や思い、民族の誇りというべきものの方が、その自分のサッカー選手としての最高の栄誉よりも優先したのだろうか。 ■平和で豊かな日本 事の善し悪し、争いの背景、双方の思想や考えの違いなど詳しいことは、彼らの身になってみなければ判らない部分が多いだろうが、世界の国々では、自分たちのために戦う人々がいる。自分たちの国を愛し、民族の誇りを持ち、戦乱、戦闘の中にいる人々もいるのだ。 Jリーグ「ガンバ大阪」でも今W杯でも活躍したカメルーン代表のパトリック・エムボマ選手が、恵まれず貧しい自国のサッカー選手のために、日本の選手が履き古したスパイクや運動着をカメルーンに送っていたという話は有名である。 私たちの日本では、国内で内乱が起きるなどという事態は考えられなし、他の国々と比較してみてもとても平和で、経済的にも恵まれ、豊かな中で生活しているということがよく分かる。 国や民族を代表し、サッカーというスポーツを通じてW杯に参加する彼らの胸の内に秘める意気込みは、平和で豊かな私たち日本人には分からないことなのかも知れない。 このように、W杯という大会は色々な国の文化や情勢を伺い知る期間でもある。世界の国々がサッカーというスポーツを通じて一体となる期間。この一カ月間は地球が熱くなり、そして私達は寝不足になる。 最後に、この原稿の内容とは全然関係ないが、6/26ジャマイカ戦のTV放送で、NHKの実況アナウンサーが語った試合開始前の言葉が印象に残って耳から離れないので紹介したい。 振り返らずに歩く道です。 スタンドの波打つ音が聞こえてきます。 芝の匂いがしてきます。 そこに広がるのは私たちの20世紀を締めくくる戦場です。 リヨン・ジェルラン競技場。 日本はここで終わるのではありません。 自分たちの明日に 私たちの2002年につなぐ90分間にしなければなりません。 ワールドカップ第3戦、日本対ジャマイカ 勝つために戦います。 選手の皆様、たいへんお疲れさまでした。 4年後、世界中の人々をお迎えして、この日本でW杯が開催される事は、本当に幸福なことです。成功へ向け、共催の韓国の皆様とともに開催の喜びを分かち合いたいと思います。 次回は、グルメ編その2「お茶と悟りの関係」の予定です。 |
[ワールド・スピリット バックナンバー] [ホームページへ戻る]