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オーストリア、ウィーンの話題は今回で3回目になります。 どうしても音楽の話題になってしまいますが、やはりこの方の話題に触れないわけにはいきません。 天才の中の天才といわれるこの人です。 |
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■映画アマデウス
「バスーンとバゼットホルンの響きは、ガタガタのアコーディオンのように・・・それから突然、高い旋律のオーボエが揺るぎない調べで現われ、やがてクラリネットに引き継がれる。ああ!何という美しい調べ、これは人間の創りうる音楽ではない。初めて耳にする音楽・・・神の声を聞くようだ!!」モーツアルトの書いた、書き直しのない完璧なスコア(楽譜)を目にし、その天上界の調べのような音楽に驚嘆した宮廷作曲家アントニオ・サリエリは、彼に対して燃えさかる炎のような激しい嫉妬の念を抱く。 「神はなぜ、あなたの音楽を伝える僕(しもべ)を私ではなく、このような下品な若造をお選びになったのかぁぁっつ!」 映画「アマデウス」はサリエリ役のF・マーリー・エイブラハムの主演男優賞をはじめ、1984年アカデミー賞の主要9部門を独占する栄誉に輝いた。 天才モーツアルトと彼に嫉妬し、毒殺を企んだといわれるアントニオ・サリエリ。この二人の確執とモーツアルトの半生を描いたその内容は、当時の華やかなウィーンの文化を見事に再現した背景とあわせ、文句のつけようのない映画史に残るすばらしい作品なのであった。 ■神童モーツアルト オーストリアのザルツブルグで生まれウィーンが育てた、神童といわれるこの人モーツアルトは、この映画の中でも描かれているように、5才でハープシーコード、7才でバイオリンを完璧に引きこなし、ハイドン40才の頃の作品となんら引けを取らないというはじめての交響曲をなんと8才で書き上げたといわれている。映画の中にもあるように、モーツアルトの書いたスコアには書き直しがなく、頭の中にインスピレーションがひらめき、その場で完璧に完成された音楽を楽譜に書き写しているだけという、羨ましくも信じられないような、この方こそまさに正真正銘、天才の中の天才と呼べる方である。 私たちは日頃、少し才能がある人を軽軽しく「天才」と呼ぶ場合があるが、この方の天才ぶりに比べたら、なんら足下にも及ぶ筈もなく、自らが認識する天才のスケールの小ささを恥ることになってしまう。 私は音楽に関してはよくCDを聴いたり、演奏会に出かけたりはするのだが、まともに楽器も弾けるわけでなし、譜面なども読めない素人なので(^^;)詳しい音楽論を論ずるような立場ではないのだが、モーツアルトの音楽は素人の私が聞いても美しくて明るい印象を受ける。「音楽」の字のとおり「音」が「楽しい」のである。なるほど音楽の真髄はここにありという感慨に至り、ひとり納得してしまう。 さて、前回お伝えした「ベートーベン」という血のにじむような努力の人というイメージに比べると、なーんの苦労もなく完成されたメロディが降って湧いてくるというおいしい才能をお持ちのこのモーツアルトとは、きわめて対照的な感がある。サリエリが狂おしく嫉妬するのもごもっともといえなくもない。 ■幸福な人生? さて、このモーツアルトという方は、天才ゆえにその才能を発揮し、多くの人々に認められ、地位や名誉、財産などを築き上げ、さぞかし幸福な人生を送ったかと思うと意外やそんなことはなく、サリエリの「神様は不公平だ!」との嘆きが聞こえたわけではないのであろうが、多くの伝記に残されているように、36歳の若さで亡くなる時、貧困にあえぎながらひっそりと亡くなり、共同墓地に追いやられたという悲壮な最期は多くの方の知るところである。(ちなみにベートーベンの最期は、ウィーン中の市民が彼の死を悼み、町を上げての立派な葬送が行われたという) 天賦の才能だけでは人は幸福になれないようである。 サリエリに音楽活動をことごとく妨害された上に、毒殺されたかの噂の残る(真相は定かではないが)このモーツアルトの人生。 このモーツアルトに、もう少し自らの才能を奢ることのない謙虚な姿勢、人としての「礼儀」や「人徳」のようなものがあれば、そしてまた、彼を猿回しの猿の如しに音楽の教育を施したといわれる父レオポルドに彼を人間としての教育、知恵といったものを育まんとする「愛」があれば、少なくとも他の音楽家から恨みや妬みなどをかうことなく、もう少し長生きしてもっと多くの美しい音楽を残してくれたのではないかと勝手に思うところである。 このことを考えると私達は、人間が成功するための処世術なるものを学ぶ必要性を実感するところではないかと思うのである。 ■縁の地、ザルツブルグ
首都ウィーンから西へ列車で約3時間半。モーツアルトの生まれ故郷ザルツブルグは、ドイツとの国境近くにあるとても小さな町である。ザルツブルグはその名の通り、「塩の町」―岩塩の原産地として古くから有名なのである。また、ここからバスで一時間ほど郊外へ足を伸ばせば、映画「サウンド・オブ・ミュージック」で有名になったザルツカンマーグートの雄大な景勝地を観光することができる。 36才で亡くなるまでの短い人生の中で、646曲の宝石のような「楽しい音」を私達に残してくれたモーツアルト。 このモーツアルト縁の地を訪れるファンも多く、彼の生家やレジデンツ広場のモーツアルト像の前には多くの観光客でいつも賑わっている。 次回は、スイスの予定です。 |
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